歯周病(歯槽膿漏)の原因と症状や治療法について解説!
2018/11/09
歯周病(歯槽膿漏)という言葉は耳にするけど、実際にはどんな病気なの?
日本では成人の8割以上が歯周病(歯槽膿漏)にかかっているといわれています。
今回は歯周病(歯槽膿漏)の原因や症状について、さらには治療法についても解説していたいと思います。
目次
歯周病(歯槽膿漏)とは?
歯周病(歯槽膿漏)は歯の周りに感染した細菌が、歯の周りの炎症を引き起こす病気です。
歯の周りには溝があり、まずそこに細菌が侵入し、初めは歯肉の炎症を引き起こします。
歯ぐきが赤くなったり、少し腫れた状態が歯肉炎といわれます。
そこからさらに症状が進行し、歯の周りの骨が溶けてきた状態を歯周病(歯槽膿漏)といいます。
歯周病(歯槽膿漏)は症状がほとんど無く、気付かないうちに徐々に進行していきます。
少しずつ歯の周りの溝が深くなっていき、歯周ポケットが作られて(深くなって)、さらに細菌が繁殖しやすい状態になってしまいます。
そして、歯周ポケットから膿が出てきたり、歯ぐきが腫れて痛くなることもあります。
歯を支えている骨が溶けてくると、歯も少しずつグラグラと動くようになり、最後には抜けてしまいます。
歯周病(歯槽膿漏)の直接的原因
歯肉炎や歯周病(歯槽膿漏)の直接的な原因は、細菌の塊りである歯垢(プラーク)の存在です。
お口の中にはおよそ300~500種類の細菌が住み着いています。
その細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつくようになります。
この歯垢(プラーク)1mgの中には、1~10億個の細菌が存在しており、虫歯や歯周病(歯槽膿漏)を引き起こすことになります。
その細菌の塊の中で、歯周病(歯槽膿漏)を引き起こす細菌も特定されています。
歯垢(プラーク)を放置すると硬く固まり、歯石となって歯の表面に付着します。
歯石になると歯磨きだけでは取り除くことが困難になり、さらに歯石の周りに細菌が付着しやすくなってしまいます。
そこで、歯周病(歯槽膿漏)を進行させる毒素を放出し、歯の周りの骨も徐々に溶かされてしまいます。
歯周病(歯槽膿漏)の間接的原因=リスクファクター
局所的なリスクファクター
・不適合な被せ物、詰め物など
・歯並び
・歯ぎしり、くいしばり、かみしめなど
全身的なリスクファクター
・ストレス
・不規則な食習慣
・運動・睡眠不足
・喫煙
・全身疾患
(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常、遺伝)
・薬の長期服用
歯肉炎や歯周病(歯槽膿漏)は間接的な原因であるリスクファクターにも大きく影響されます。
その中でも喫煙は血管を収縮させて血行不良を引き起こし、免疫力も低下させてしまいます。
一方、喫煙によって、見かけ上の炎症は抑えられますが、歯周病治療の際に治りが悪いです。
喫煙は歯周病(歯槽膿漏)だけではなく、お口の中や全身的にも、あらゆる病気のリスクファクターとなってしまいます。
この際に禁煙してみてはいかがでしょうか。
歯周病(歯槽膿漏)の治療法
まず歯周病(歯槽膿漏)の治療の基本は歯科治療全体の基本となります。それは、きちんとした正しい歯磨きです。
きちんとした正しい歯磨きによって、歯垢(プラーク)を除去し、歯石を作らないことが歯周病(歯槽膿漏)に対する最大の治療法となります。
↓とても大切な内容です。
参考記事:正しい歯磨きの仕方を実践出来てますか?時間やタイミングも解説!
歯科医院での定期的なメインテナンスだけで安心せず、ご自分でできるプラークコントロールを徹底するために、きちんとした正しい歯磨きを心がけてください。
歯周病治療が安定しても、プラークコントロールが元に戻ってしまうと、再び歯周病の進行の恐れが高まります。
また、前述したリスクファクターにも注意していただき、改善できる部分は徹底的に改善するように心がけて下さい。
歯周病を放置しておくと、お口の中だけではなく、全身的な疾患も引き起こします。
↓できれば参考記事も目を通してください。
参考記事:歯周病の治療が全身疾患を治す!その原因と症状を解説
まとめ
今回は歯肉炎や歯周病(歯槽膿漏)について解説させてもらいました。
歯科疾患のほとんどは、プラークコントロールによって予防できます。
歯周病(歯槽膿漏)で歯の周囲の骨が溶けると、完全に元の状態に戻すことが出来ません。
そのため、歯肉炎や歯周病(歯槽膿漏)にならないことが、その後の健康状態の維持につながります。
さらに細かい歯周病(歯槽膿漏)の治療法もありますが、基本的な正しい歯磨きが出来ていないと、その先の治療についても期待することは出来ません。
歯周病(歯槽膿漏)を治すと謳っている歯磨き粉や、医薬品等についても、根本的なところから歯周病(歯槽膿漏)を治すものではありません。
自分自身でプラークコントロールが出来ているか不安な場合は、歯科医院での定期的なメインテナンスを受けて下さい。
できれば、症状が出る前や、お口の中に不安がないときにも、定期的に歯科医院でのチェックをおすすめします。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!