虫歯を放置すると大変!痛い時だけ治療するのは間違い!神経を残そう!
2018/12/29
虫歯が出来たと分かっていても、なかなか歯科医院に行く気がしない。
少々痛くても我慢してしまう。
今回は、歯医者に行きたくないと考えてる方に、虫歯を放置すると大変なことになりますよ!
というお話をさせていただきます。
目次
虫歯の大きさの分類
虫歯とは歯の表面に細菌の塊(プラーク)が沈着し長時間とどまって、歯の表面を徐々にとかしてしまう病気です。
その進行度によって分類されます。
進行度1:C0
エナメル質のごく表面だけを少しだけを溶かしている(脱灰)している状態。
歯の付け根に残ったプラークに沿って斑点状や帯状に白色~茶色に変色した状態です。
歯の上の面(咬合面)の溝にも変色が見られることがあります。
この段階では肉眼だけでは判断することが難しく、さらに進行している場合もあるためレントゲンで写真撮影してもらったり、虫歯の深度を測るレーザー器機により、虫歯の進行の度合いを診断してもらいます。
C0では痛みなどの症状はほどんどなく、歯を削る必要もないため、フッ素塗布や徹底的なブラッシング指導を行い、経過を見るようにします。
進行度2:C1
虫歯がエナメル質まで進行した状態です。
(虫歯がエナメル質内にとどまった状態)
この場合もC0の時と同様に
レントゲンで写真撮影してもらったり、虫歯の深度を測るレーザー器機により、虫歯の進行の度合いを診断してもらいます。
また、患者さんのお口の清掃状態などからも、総合的に判断して、虫歯を削って詰めるかフッ素塗布や徹底的なブラッシング指導を行い、経過を見るようにします。
進行度3:C2
虫歯の進行がエナメル質よりもさらに深く進行し、象牙質に達した状態です。
症状が無いものから、ズキズキとした痛みが出ることがあります。
通常は象牙質まで進行した虫歯を完全に除去し、深い場合には裏打ちの材料をおいて、プラスチックなどの樹脂を詰めたり、型取りした詰め物などで、削った部分を修復します。
その後の症状によっては、歯の神経を取る処置(抜髄)になることもあります。
進行度4:C3
虫歯の進行が象牙質を通り越し、歯の神経(歯髄)まで達した状態です。
ここまでの状態になると何らかの痛みなどの症状が出ることが多いです。
歯が欠けて穴が開いたといった状態は、おおむね虫歯がC3まで進行していることが多いです。
ここまで進行した場合は、神経を取る処置(抜髄)をほどこすことになります。
また、痛みを感じることなく、神経が死んでいる場合もあります。
進行度5:C4
虫歯が進行して、歯の頭の部分が崩壊し、歯の根だけが残った状態です。
神経は死んで、歯の中は細菌で侵され、根の先に膿が溜まっていることもあります。
ここまでの状態になると、歯髄の痛みは無く、食べ物がはさまった時の痛みや、歯の周りの炎症、根の先に溜まった膿が原因で痛みを出すこともあります。
C4の状態では、残っている歯の状態にもよりますが、抜歯になることが多いです。
歯を残す場合は、感染した根の治療(感染根管処置)を行い、必要があれば根を引っ張り出す治療を行います。
虫歯の放置がもたらす結果
歯並びが悪くなる
虫歯はC0~C4のように進行することを説明しましたが、どの段階で歯科医院に行くきっかけになるか?が大きいです。
大体の場合は歯が欠けたり、我慢できない痛みが出てから歯科医院を受診するケースが多いと思います。
なかには、痛みを我慢し続けたり、痛みそのものが無く、そのまま放置する方も多いです。
残念なのは、痛くなって歯科医院に行ったけど、痛みがなくなったからもう大丈夫と途中で治療を中断してしまうことです。
中断した歯はいずれC4の状態になります。
C4のまま放置しておくと、まず歯並びが変わってしまいます。
1本だけではなく、何本もC4の歯あると歯並び全体がぐちゃぐちゃになります。
歯科治療は最終的に被せ物や入れ歯を入れて(補綴)終了となりますが、歯並びがぐちゃぐちゃになると、最終的な補綴が困難になってしまいます。
(歯が全部ダメになって、総入れ歯になれば話は変わってきますが。)
全身疾患の原因となる
虫歯の歯を放置すると、歯の周りや根の先に細菌が繁殖します。
別の記事でも書きましたが、お口の細菌が全身を駆け巡り、全身疾患を引き起こす原因にもなってしまいます。
参考記事:歯周病の治療が全身疾患を治す!その原因と症状を解説
もちろん、歯並びの変化によって食生活の変化も余儀なくされてしまい、それが体の負担になる可能性もあります。
お口の状態は全身的な状態と密接にかかわってきます。
たかが虫歯と考えずに、もっと大ごとになる可能性があるということも考えていてください。
まとめ
虫歯は自分自身で未然に防げる病気です。
一番大事なのは虫歯にさせない環境づくり(食生活などの生活習慣を含め)です。
そして、痛くなったら歯医者に行くのではなく、前もっての定期的な歯科検診に行くことをおすすめします。
もし虫歯の治療が終わったとしても、お口の中の環境によって、再発させてしまうことは、非常にもったいないことです。
虫歯の治療が終わってからの方が、歯の寿命や健康状態の面から考えると定期的なメインテナンスはとても重要です。
あえてもう一度、たかが虫歯と考えずに、もっと大ごとになる可能性があるということをお忘れなく。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!