俳優の出演歴を調べたい人が探すページと、取材を申し込みたい人が探す窓口は違う。どちらにも同じ長いメニューを見せるだけでは、目当ての情報にたどり着きにくい。文化・芸能事業のサイトでは、来訪者の「知りたいこと」と「次にしたいこと」が、案内の分け方を決める手がかりになる。
入口で行き先を選べるようにする
サイトを訪れるのは、人物の経歴を調べるファンだけではない。最新の活動を確認する記者もいれば、出演や制作について相談したい担当者もいる。トップページに情報をすべて並べるより、「所属・関係アーティスト」「ニュース」「公演・出演情報」「事業内容」「お問い合わせ」のように、行き先が予測できる入口を設けたい。
たとえば「トピックス」だけでは、出演発表なのか会社からの案内なのか分かりにくい。見栄えのよい名称より、押した先に何があるかを伝える名称を選ぶ。トップページで初めて来た人が迷う原因を点検するなら、文化ニュースサイトのホームページで新規読者を迷わせないための改善点も参考になる。

メニューは運営側の部署名ではなく、利用者の目的で分ける
社内で「マネジメント」「制作」「広報」が別部署でも、訪問者はその組織図を知らない。出演相談の窓口を「事業部」の中に置くと、初めて連絡する人には見つけにくいだろう。「出演・制作のご相談」と書けば、どんな用件を受け付けているかが伝わる。
似た情報の置き場所を決めておく
一つの発表をニュース、人物紹介、出演予定のどこに載せるか曖昧なままだと、探す人だけでなく更新する側も迷う。各ページの役割を決めておきたい。
- 人物紹介:経歴や所属、代表的な活動など、継続して参照する基本情報
- ニュース:発表日が重要な告知や変更のお知らせ
- 出演・公演情報:日時や会場、参加方法など、予定を確認するための情報
- 事業案内:提供できる業務の範囲と、相談前に必要な条件
同じ出演情報を複数の場所で紹介するときは、それぞれに詳細を書き直すより、詳細を確認できるページへ案内するほうが食い違いを防ぎやすい。終了した公演が「今後の予定」に残らないよう、掲載期間と更新担当も決めておく。
ページを開いた後も、現在地と次の行動を示す
検索やSNSから人物紹介に直接来た人は、トップページを見ていない。見出しで人物名とページの役割を示し、関連するニュースや出演情報にも進めるようにする。ニュースを読んでから経歴が気になった人には、人物紹介へのリンクが必要だ。
階層が深いサイトなら、上位の区分に戻れるパンくずリストが役立つ。ただ、現在地が分かるだけでは次に何をすればよいかは伝わらない。人物紹介には「出演情報を確認」、事業案内には「相談内容を送る」といった、内容に合う案内を添える。リンクも「詳しくはこちら」ではなく、移動先が分かる文言にしたい。
スマートフォンでは開きやすさも確認する
狭い画面では、メニュー名が途中で切れたり、項目が近すぎて押し間違えたりする。メニューを開いた状態だけでなく、記事の末尾から別のページへ移る場面も実機で試したい。問い合わせの案内を目立たせても、本文や閉じるボタンを覆っては使いにくい。

探せない情報を、検索と実地確認で見つける
紹介する人物が多ければ、メニューだけで全員を探せるようにするのは難しい。サイト内検索を設けるなら、芸名の表記違いや、グループ名から個人を探す使い方も考えておく。検索結果に古い告知と人物紹介が並ぶ場合は、日付とページの種類を表示すると、どちらを開くべきか判断しやすい。
改善するときは、運営側が知っている経路をたどるだけでは足りない。サイトを初めて見る人に「この俳優の現在の所属を確認する」「出演を相談する窓口を探す」といった用件を伝え、最初に選んだ項目と迷った箇所を記録する。クリック数だけでなく、移動先に予想した情報があったかも確かめたい。
「出演情報」を押した人が過去の告知ばかり目にするなら、すぐにメニュー名を変える必要はない。まずはページ内で「今後の予定」と「過去の出演」を分けられないか確認する。どこで迷ったかが分かれば、直すべき場所も絞れる。